「かしこいクルマの使い方」講座vol.2
「クルマ、安いってホント?」
東京工業大学教授 藤井聡(ふじい・さとし)

 例えば、平日のお昼間、夕食の支度のために、何キロか離れたスーパーに買い物に行こうと考えているとしましょう。そのスーパーへはもちろんクルマで行けますが、バスでも行けるものとしましょう。こんな時、皆さんはクルマかバス、 どちらを使いますか?

  おそらく、ほとんどの方が「クルマ」とお答えになるのではないでしょうか。クルマの方が早いし、いつでも出発できますし、その上、次のようにお考えになる かもしれません。

  「ガソリン代なんてたかがしれている。だけど、バスだったら何百円もかかってしまう。クルマの方が、断然、経済的」

  でもちょっと待って下さい。確かに、クルマの方が便利でしょう。でも、クルマの方が安い、というのはホントでしょうか?

  普段、気になるのはガソリン代くらいかもしれません。でも、オイルやタイヤは定期的に換えないといけないし、保険や税金や車検代だって定期的に必要です。 そして当然ながら、最初にはクルマ購入費が必要です。これらを全て考慮すると、例えば「中古で買った一〇〇〇CC程度の小型のクルマを、倹約しながら利用する」という条件でも、ざっと計算すれば一日あたり二千円程度になります。これに加えて、違反をしてしまえば罰金が 必要ですし、車体を「擦ったり、ぶつけたり」してしまえば修理代が何万円、何十万円とかかります。そして大きなクルマの場合には保険も税金も高いですから、場合によっては、一日あたり三千円、四千円にもなってしまいます。これでは、毎日タクシーを使う方が安くあがりそうです。
  そうなのです。

  確かにクルマは便利です。しかし、そのためにかなりのオカネを支払っているのです。ところが、私たちは、購入時や車検時に「まとめて」払っているので、その「高価さ」に気がついていないのです。

  例えばたくさんのクルマを持つ代わりに一台減らして、上手に「バス」を使うようにすれば、家計はずいぶん助かるかもしれません。なんと言っても、バスは、 一日数百円で済みますから......


<ふじい・さとし> 東京工業大学 教授.1968年奈良県生、京都大学 卒業.フジテレビ 「交通バラエティ・日本の歩き方」2003〜2004年を監修・出演.JAFMATE「交通百葉箱」2001〜2002年に連載.主著「社会的ジレンマの処方箋」
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(社)大分県バス協会.