| 「かしこいクルマの使い方」講座vol.1 |
| 「ホントに無くなる? バス交通」 |
| 東京工業大学教授 藤井聡(ふじい・さとし) |
東京や大阪などを除くほとんどの地域で、バスよりクルマの方が圧倒的に便利です。数時間に一本しかバスが来ない、という地域は日本中にたくさんあります。しか
し、一昔前にはバスはもっと走っていて、お客さんも決して少なくなかったのではないでしょうか。どうして、こんなことになってしまったのでしょうか?
まず、バスが使われない最大の理由は「バスが不便だから」です。もしも自宅や目的地の近くにバス停があって、しかも、いつも乗りたいときにバスが来ていたら、今よりバスを利用する人はずっと多いでしょう。
では、なぜ、バスはいつも来ないし、いろいろな所にバス停ができないのでしょう。それは、「お客さんが少なければ、バスをたくさん走らせることができないから」
です。例えば、お客さんが一日に十人前後しか乗らないようなバス停に、一時間に五本も十本もバスを走らせたら採算がとれなくても仕方ないのではないでしょうか。
つまり、バスが不便なのはお客さんが乗らないからで、お客さんが乗らないのはバスが不便だからなのです。この「悪循環」がここ数十年続いています。このまま続けば、数十年後には一部の地域を除いて日本からバスが無くなっているかもしれません。そんな時代がきてしまったら、クルマの運転ができなくなった高齢者や子供達はどうすればよいのでしょうか?大分に飛行機やJRで来た免許の無い人達は、どうすればよいのでしょうか?
そうなのです。バスの問題は、実は、地域全体の問題なのです。そう考えれば、「一回利用すれば、その分だけ、地域のバスを未来に残せる」と考えて、クルマの代わりに少しずつバスを利用するのも、わるくないのかもしれませんね。
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<ふじい・さとし> 東京工業大学 教授.1968年奈良県生、京都大学 卒業.フジテレビ
「交通バラエティ・日本の歩き方」2003〜2004年を監修・出演.JAFMATE「交通百葉箱」2001〜2002年に連載.主著「社会的ジレンマの処方箋」
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